治療の仕組み
トモセラピーという最新の次世代型放射線治療装置で、病変が全身に複数箇所点在している場合でも、同時に高精度照射を施します。正常な他の臓器にはほとんど影響を与えずに痛みも伴いません。現在、日本の保険診療では、通常型のリニアックや定位照射専用装置で、1臓器3個以内が適用されていますが、治療計画を立て1箇所照射するだけで、1,2時間かかります。照射する原点を決めなければならないため、それが4個から10個などと複数箇所となると、手に負えない状況に陥り、あきらめてしまうのが現状です。その点、トモセラピーでは、治療室全体が照射の原点となり、その中に患者さま自身が進入していくシステムなので、同時に全身病変への照射が可能となり、正確に場所を定めて放射線を照射できるのでがん細胞の細胞死を効率的に誘導することが可能です。
但し、トモセラピーを照射しても、再発の原因となる、画像診断でも見えない微小転移病巣までは完全になくすことは困難です。そこで、トモセラピーの照射前後に樹状細胞ワクチンを投与することで、細胞レベルでがんに攻撃をし、処置したところのがんは全部消えて、その場所からの再発は見られない成果を得ています。